和うるし展報告(広島市)

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3月10日(木)〜16日(水)まで、広島市の福屋八丁堀本店内ギャラリーにて開催されていた
「和うるし展」が、広島県内では初めての試みにも関わらず盛況のうちに終了致しました。
その模様が地元中国新聞にも地域ニュースとして取り上げられています。
中国新聞地域ニュース
和漆の粋 香川の夫妻が広島で初の作品展 '05/3/14

 ■工芸家松本さん・画家宮崎さん 

 こだわって国内産の漆で制作を続ける、香川県善通寺市の工芸家松本和明さん(34)、画家宮崎佐和子さん(33)夫妻が、広島市中区の福屋八丁堀本店七階ギャラリーで「和うるし展」を開いている。十六日まで。

 塗物師の家に生まれた松本さんと元出版編集者の宮崎さんは、香川県漆芸研究所(高松市)で出会い、結婚。二〇〇一年二月、工房を構えた。「日本の漆文化を復活させたい」と、樹液を採る漆掻(か)き技術も身につけ、苗木の植樹も進めてきた。

 松本さんは今回、木地にトチやケヤキを使った椀(わん)や皿、カップ、スプーンなど約百八十点の食器を並べた。油で漆を溶いて塗る量産品とは違い、色形ともすっきりした美しさと、深い味わいが際立つ。訪れた客が慈しむように、器を手に取る姿が目立った。

 漆に顔料を混ぜて描く宮崎さんは、つがいのスズメが飛ぶさまに春の予感を託した日本画風の作品など二十点の漆絵を出した。

 中国産の輸入漆に押され、日本各地の漆産地は近年、次々に姿を消している。和漆へのこだわりはロマンだけでなく、「産地や採取時期の違いで、漆の表情も変わる。落ち着いた色合いや、ガラスのような繊細な風合いなど、いろいろ表現できる楽しみがある」(松本さん)という。

 広島県内では初めての作品展。会場の一角には、樹液採取などの工程を紹介する写真パネルや漆掻きの道具も展示している。二人は「次世代のためにも漆産地を残し、広げながら、漆文化という日本の宝物を知ってもらうよう創作に励みたい」と話している。

【上記写真説明】「日本の風土がはぐくむ漆は、産地ごとに個性の違うワインのよう」と、漆工芸の魅力を話す松本さん(左)と宮崎さん

                 
 

3月12日(土)に行われた松本氏によるギャラリートーク